夢は大地を駆け巡る 高校卒業30周年文集への寄稿

過去の思い出

30th anniversary of AMOR et LUMEN 18 愛光学園18期生の卒業30周年文集に寄稿した文です。年齢でいうと48歳か49歳。2006年頃に書きました。表紙の写真は2024年末の同窓会の写真です。


夢は大地を駆け巡る
高IIID組 日野泰伸
愛と光の使徒たらんとの志を胸に、いざ雄飛せん五大州と飛
び出したのは中国。中華料理屋の次男坊の半生記。大学は、ボー
トを漕ぎつつ、司法試験目指したことも。海外に出る近道と
入ったのは、その名を母も知らない銀行。なぜかシステム部に
放り込まれ、コンピュータ言語のコボル、アセンブラ漬け。やっ
と3回目に引っ掛かった海外留学試験は、中国語学研修生。大
学の第二語学は、ポン、チー、白発中、北京大学では一生懸命。
中国内を旅行しまくり、帰国はシベリア鉄道でロンドン経由。
戻れば、香港あこがれの海外勤務。子供もできて、東南アジア
も旅あちこち。ビクトリア湾で漕いだドラゴンボート。勤勉な
香港人に業務を教えられ、天安門事件のあと、経済特区深セン
へ。電気も水も止まる環境で、支店長は「ここで勤まったら、ど
愛光学園18期生卒業30周年記念寄稿集  29
30th anniversary of AMOR et LUMEN 18
こでも心配ない。」極限の状況で身についたくそ度胸。帰ると
ディーリングルームの最先端。戸惑いながらも、ボラチリとフ
グチリの違いを学び、スワップもオプションもマスター。今度
は請われて、日中貿易商社。年の半分を大陸での商売に明け暮
れ、重慶に自動車塗装工場を建設。商務通訳、技術通訳をこな
し、四川料理も堪能。次は上海支店。邦銀初の人民元業務、日
系企業の進出支援。国内空洞化も促進。余人をもって換えが
たいと乗せられ、そのまま台湾のリース会社のシステムの総入
れ替え。台湾人の親日感を実感。入れ替え完成したらすぐ、台
中大地震。対応多忙の高血圧で帰国に。人生塞翁が馬。シス
愛光学園18期生卒業30周年記念寄稿集  30
30th anniversary of AMOR et LUMEN 18
テム部門に戻るとすぐに、銀行が統合。中国拠点のシステム切
替に飛びまわっていたら、今度は統合されるほうに。でも、周り
を見渡せば詳しいのは自分だけ。相手からも中国人からも頼
りにされ、現場でどうぞと再度の上海。単身赴任を覚悟してい
たら、息子も家内もついてきて、この歳で家族帯同。日・中・英
語で侃侃諤諤やりながら、酸いも甘いも噛み分けて、目指すは
「頼りがいのある銀行」。5年ぶりの上海は秒進分歩。古い集
合住宅が壊されて、大きなビルがにょきにょき。タクシー運転
手も道に迷い、地下鉄乗り換えに一苦労。中国に違和感ないの
も、中華料理のメニューを聞きながら育ったせい。卒業してあっ
という間の30年。普通のサラリーマン人生で香港、台湾、大陸
の両岸三地を股にかけ「中華三昧」15年。ゴルフで痛めた右
ひじのもう年だからとの注意にも、まだまだ尽きない好奇心。
夢は大地を駆け巡る。
愛光学園18期生卒業30周年記念寄稿集  31

コメント

タイトルとURLをコピーしました